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「 自殺のない社会づくりネットワーク・ささえあい 」   基本理念


   いま、日本国内での自殺者は11年連続3万人を越えています。 最近は自殺問題に対する世間の関心も高まってきており、その防止活動も広がっています。 しかし、その一方では、社会状況の厳しさには先が見えず、 自殺防止活動はますます重要になっていくものと実感しています。
   自殺防止活動者の元には、一度は自殺しようとして自殺を踏みとどまった自殺企図者からのメッセージがたくさん届いています。
例えば、「凍死を考えて北海道へ行ったがそこで駅員さんに声をかけられて自殺を断念し、 青木が原樹海で自殺をすることを考えて一歩足を踏み込んだが、 そこで森林保安委員の方から声をかけられたため自殺を断念し、東尋坊や三段壁で飛び込み自殺を考えて行ったが、 そこで活動しているボランティアの人に声をかけられたため自殺を断念した。  この人たちの "心の叫び" は、誰もがまだ "死にたくない" との叫び声であり、死ぬ直前まで、 「死んだらアカン!」と言ってくれる人の声を待っているのです。
   私たちは、自殺多発場所で「人の姿を見せ」「一言、声を掛ける」 ことにより多くの人の「命」が救われている現実に接してきています。 こんな体験をしてきた私たちは、 日本国内に多くある自殺の名所と呼ばれている「自殺多発場所」での対策に大きな温度差があることを知りました。 そして、この人たちの声を関係機関や団体・地域に送り届けて、この人たちの声に応える必要があると考えました。
   そこで、そうした自殺多発場所で活動している人たちが集まって自分たちの体験を社会に伝えていく 「自殺多発場所での活動者サミット」(仮称)を今秋開催しました。 今後、次のような活動にも取り組んでいきたいと思っています。
   自殺防止活動を効果的にしていくためには、その先にある「人生再出発」のための 「食・衣・住・職」を支援するネットワークが不可欠です。  私たちは、これまでの活動のなかから一時的な生活拠点を提供することも含めて、 その後の生活支援のネットワークを育ててきていますが、それぞれがばらばらでやっていては限界があります。  全国の水際活動を支援していく、そうした全国シェルター・ネットワークを構築していく必要があります。

   また、私たちが支援してきた自殺未遂体験者の人たちの思いをしっかりと社会に伝えていくことも 自殺を防止する上で効果的です。 そうした人たちのネットワークを育てていくとともに、 そうした人たちの声をしっかりと社会に伝えていくことも大切です。
   こうした問題意識を踏まえて、私たちは、自殺防止に積極的に取組んでいる地方自治体や民間団体に呼びかけて、 次の3 つのネットワークづくりに取り組んでいきたいと思っています。

(1)ゲートキーパー・ネットワーク(仮称)
   自殺多発地域(場所)で自殺防止活動に取り組んでいる活動者たちのネットワーク
(2)フォワード・ネットワーク(仮称)
   自殺を考えたことのある人たちが体験を語り合い、前に進むためのネットワーク
(3)シェルター・ネットワーク(仮称)
   自殺を考えたことのある人たちの生活と自立に一緒にとりくむシェルター・ネットワーク

いずれも相互に深く関わっていますので、それらを合わせた大きな「自殺のない社会づくりネットワーク・ささえあい」 を構築していくのが目標です。さらに、こうしたネットワークづくりを通して、 年間3万人を超える自殺者を出している社会のあり方に対しても、現場から声をあげていければと思っています。
   今回の緊急集会を契機に、こうしたネットワークを育てていくための設立準備会を発足させますので この趣旨に共感してくださったみなさんがたには、ぜひご参加いただければと思います。 そして、こうした動きを広く社会に発信していくとともに、それぞれができる範囲で、汗や知恵、 あるいは資金的な支援や場所の提供などをお願いできればと思っています。    この問題は、私たちが暮らしているこの社会のあり方に深くつながっている問題です。
みなさんと一緒に、まずは一歩を踏み出したいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。